夢のつづき
眠りたくない。
夢など見るくらいなら。
そう思うのに、いつも知らず知らずのうちに眠りに落ちている。
昨日は。
夢の振幅の中で、二度と会うことのない誰かの声を聞いた気がした。
今朝。
しばらく見ていなかったLINEが、珍しく音を出して主張した。
開くと、告げられたのは「久しぶり」の一言。
これまた、もう連絡を取ることができないだろうと思っていた相手だった。
歌を歌った。
本当は歌いたくなかった。
話がしたかった。
でも、話せないから。
歌った。歌いまくった。
二度。頭を撫でた。
髪が柔らかかった。
今日。なんと特別な。不思議な。一日だったろう。
今日に。あの人に。
またね、がないのだとしたら。
またね、がないかもしれないから。
今日を忘れまい、と。
閉まっていた鍵を引っ張り出し、日記を書いた。それだけ。